働く環境を整備し
地域からも従業員からも
信頼される企業を目指す

2025.03.28
砺波工業株式会社

IoTの導入、社内制度の見直しを進めておられますね。

〜労働環境の改善・整備で、従業員が働きやすい企業を作る〜

 

 1944年に創業して以来、土木事業と建築事業を二本柱に、富山県を中心に、石川県や福井県でも実績を重ねてきました。土木分野では道路や橋梁といった生活インフラの施工管理、建築分野では民間企業のオフィスや工場、学校などの新築や増改築工事に携わっています。SDGs推進のきっかけは、世界で環境や社会問題への意識が高まるなか、SDGsが少しずつ身近なものになり、企業内での取り組みの必要性を感じたことです。「富山県SDGs宣言」をしたことで、推進内容を社内に浸透させ、従業員の意識統一を図ることができました。

 富山県SDGs宣言の目標1は「品質・環境マネジメントシステムに則った継続的な取り組みをし、より良い街づくりに貢献する」です。ISO9001とISO14001は、SDGsの推進以前から認証を受けていました。これに加えて建設業の労働安全衛生マネジメントシステムCOHSMS(コスモス)認証を取得することで、より良い環境づくりや業務改善につなげています。建設業界は慢性的な人手不足で、当社でも中間層が少ないという課題があります。2024年には、建設業の労働時間上限規制も義務化されました。そのため一人ひとりの業務を効率化させて生産性向上を図る必要があり、建機の活用を推進しています。最新技術を導入することで業務負担の軽減を図れます。以前までは現場で必要となる安全書類を紙書類で集めておりましたが、安全書類管理システムを導入しました。これにより誰もがPCから書類の確認や進捗状況を知ることができます。また全社で出勤簿を勤怠管理システムに移行しました。両システムは、ペーパーレス化の推進にもつながっています。また、業務の効率化を考え、自宅と現場の直行直帰も実施しております。現在、働く環境に関する社内ロードマップを作成している最中で、多様な指標や基準をもとに従業員の処遇や労働環境の整備及び改善に向けた動きを加速させています。

 

災害時に地域の拠点となるための備えもしておられますね。

〜地域に根差し、地域に必要とされる企業を目指す〜

 

 BCPの策定と運用も行っています。2019年に本社屋を砺波市中央町に新築し、敷地内に、自立型GHP設備とLPガスバルク供給システム、変電設備、高架水槽等の設備を備えて維持管理しています。炊き出し用のガス栓もありますし、非常用発電機を使えばガスを電気に変えて供給を行えます。万が一、災害で停電になったとしても、3日間は電気が使用でき、高架水槽には飲み水3日間分を確保しています。地元町内会、消防署、防災士と合同で防災訓練をし、水消火器を使う練習や煙の体験、AEDの講習なども行いました。また社屋が地域の一次避難所にもなっています。普段から、1階は地元の人が気軽に入れるようになっており、コンサートやパブリックビューイング等のイベントも行っています。

 東日本大震災によって建設会社が被災地復興の手伝いをする立場となっていることを知ってからは、社長が中心となり、地域のために何ができるかを考え「地域に根差し、地域に必要とされる企業」を目指して取り組んでいます。かつては高岡市に本社を構えていましたが、創業した砺波市に戻り、地域に恩返しをしたいと思うようになりました。2020年には富山県内の企業では初めて「レジリエンス認証」を認証取得し、災害時には避難場所、災害復旧事業の両面で、地域を支える考えです。地域全体の強靱化を今後も達成できるように取り組んでいきます。

 

健康経営や女性活躍推進など、多様な取り組みをされていますね。

〜従業員が自分の会社を誇れる企業を目指す〜

 

 富山県SDGs宣言の目標2は「事業活動から生じる環境への負荷を軽減させ、地域社会及び地球環境の保全と継続的な改善に努める」です。ISO14001による有害化学物質等の排出量の把握及び削減、自社のエネルギー消費量、コピー用紙消費量等の把握及び削減に取り組んでいます。2019年の本社移転以降は、業務で使用するエネルギーや消耗品等のデータを明確化し、減少させ続けてきました。現場でも環境負荷軽減のために、発電機の燃料漏れ防止に取り組み、川への流出を予防するために油着マットを使っています。現場にもBCP倉庫を設置しており、現場に合わせたリスクを想定した災害備蓄品も用意しています。そして現場事務所は太陽光パネル付きのスーパーハウスも導入しており、自然エネルギーを空調や冷蔵庫の電力として使用しています。

 富山県SDGs宣言の目標3は「社員一人一人の個性を尊重し、心身ともに健康で公私にわたり充実した職場環境づくりを実現する」です。全社員を対象に、外部カウンセラーのメンタルヘルスケアを実施しており、年1回の個人面談を義務化しています。仕事に対する不安や要望、悩みごとなどを匿名でフィードバックしてもらい、よりよい環境づくりにつなげています。近年は若手社員、新卒社員の増加で、各現場のリーダーに大きな業務負担をかけてきました。そこでロードマップを作成し、外部研修や新入社員研修、階層別の研修を充実させて、若手が現場に出たときにリーダーの負担を軽くする策をとっています。またメンター制度も導入しており、新入社員が悩み事を相談しやすい環境を作ったことで、離職防止にもつなげています。当社は現場で活躍する女性従業員が、土木に3名、建築に4名います。協力会社でも女性従業員が増えており、業界全体で、女性の力が生きているのを実感します。女性の就職希望者に対しては、女性従業員から現場の声を伝えてもらっているので、採用が年々増えてきました。さらに健康経営にも取り組み「ブライト500」「全国土木健康企業宣言」を継続してきました。働き方改革によって男性の育児休業の取得率をアップさせています。業務の属人化解消にも務め、ジョブローテーションのできる組織づくりも推進して来ました。2025年4月からは完全週休2日制もスタートします。

 地域に必要とされる企業を目指し、業務改革を進めています。地域に信頼され選ばれる企業になれるよう、さらに環境や制度を整えていきます。社員が自分の会社を誇れる企業にしていくことが、今の目標です。

 

太陽光パネル付きのスーパーハウス

砺波工業株式会社
担当者
総務部
樫尾 公隆
事業所住所
富山県砺波市中央町1-8
地域
富山市,高岡市,砺波市
業種
建設業
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