持続可能な社会を目指し
職員と組合員が協同して
地域の課題を解決する

2024.04.04
とやま生活協同組合

SDGs推進のきっかけを教えてください。

~環境保護、社会的包摂、経済成長の調和を大切にする~

 

 とやま生活協同組合は、2022年4月に富山県生活協同組合と生活協同組合CO•OPとやまが合併して生まれました。もともと両組織とも組合員の豊かな暮らしの創造を目指し、事業活動を続けていました。2015年9月に国連サミットでSDGsの17の目標が定められましたが、これらの目標は私たち組織の活動と全て合致するものです。「富山県SDGs宣言」は、これまでの推進の機運をさらに高めようという私たちの意思表明でもあります。合併後は「私たちは力を合わせ、誰も取り残さない、平和で心豊かな地域社会を創ります」という理念のもと、取り組みを深化させています。なかでも持続可能な社会を目指して、環境保護、社会的包摂、経済成長の3つの主要素の調和を大切に、事業活動を通して、組合員とともにSDGsの目標達成に向けた活動を続けています。

 

再生可能エネルギーの活用を積極的に行っておられますね。

~温室効果ガス削減で、未来の地球環境を守る~

 

 政府が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」に向け、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しています。そこで我々も「富山県SDGs宣言」の目標1を「事業・活動を通して、温室効果ガス削減に取り組みます」としました。今までは2030年までに2013年度対比で40%の温室効果ガスを削減する「2030温室効果ガス削減計画」を策定して取り組みを進めていましたが、数値を早々にクリアし、2023年度には2013年度対比で52%の削減に成功しています。そこで2024年度からは、2030年までに2013年度対比58%削減というより高い目標に見直して取り組みます。温室効果ガス削減目標をクリアできたのは、組織の合併に伴って「要冷物流センター」(富山市)と「東部センター」(魚津市)など4つの施設に太陽光パネルを設置し、発電した電力を自家消費していること、購入する電力の大半を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたことが大きな理由です。これによって二酸化炭素排出量の大幅削減につなげています。

 

 

 私たちは組合員とともにSDGsの目標達成に寄与しようという考えが強く、温室効果ガス削減につながる行動「節電アクション」にも取り組んでいます。これは組合員の各家庭で電気の使用量を削減する取り組みで、無理のない範囲で実施を啓発し、温室効果ガス削減について考える機会を創出する活動です。また環境学習会を開催し、親子で水辺の生き物を観察するイベントも開きました。生物多様性を学ぶことも「温室効果ガス削減」の活動のひとつです。

 

幅広い事業を展開しながら、地域に貢献しておられますね。

~地域の安全を守り、高齢化社会の見守役を担う~

 

 目標2は「助け合いの組織として、平和で公正な社会づくりを進めます」です。とやま生活協同組合は、宅配事業、生活支援事業(配食)、店舗事業、福祉事業、共済事業や活動を通して、誰もが安心して地域で暮らし続けられる取り組みを継続しています。富山県内の組合員は136,412人(2023年3月末現在)、世帯加入率は33.5%(同)で、宅配の事業高は93%を占めています。宅配先は、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯も多くあります。富山県全域をくまなくまわる宅配や生活支援事業(配食)を行なっている事業の強みを生かして、県内15市町村と「見守り協定」を締結しています。配達に訪れても家人が出てこない、様子がおかしいと感じたときには、配送担当者が安全確認を実施し、万が一のときや緊急の場合は必要各所へ即座に連絡を行います。また配送担当者に対しては認知症サポーターの研修も実施しています。生活支援事業(配食)や福祉事業も、高齢化が進む現代に必要とされる事業だと考えております。高齢の方やご家族が安心するための取り組みを、今後も加速させていきます。能登半島地震への支援活動も実施し、募金やボランティア、炊き出しなどを実施しました。コープいしかわの依頼で、宅配支援も行っています。職員内に向けた活動では、エンゲージメントの向上に務め、職員の働きやすい環境づくりを進めています。
 目標3は「組合員とともにエシカル消費、食品ロス削減、リサイクル活動に取り組みます」です。かねてよりエシカル消費関連商品の普及にも力を入れてきましたが「エシカル消費」という言葉は馴染みがなく、浸透が難しいのが現状です。そこで私たち生協は「誰かの笑顔につながるお買い物」と表現し、啓発クイズをしたり店舗でのイベントや掲示をしたり、さまざまな取り組みを重ねて関連商品のPRを続けています。食品ロス削減については、みなみ店(富山市)、東部センター(魚津市)で食品の持ち込みを常時受け付け、社会福祉協議会などの福祉団体を通して寄付を行なっています。生協事業から排出される容器包装等の回収、リサイクル活動も、組合員とともに推進しています。

 

今後への意気込みを聞かせてください。

~地域社会とともに成長する組織を目指す~

 

 私たちは、理念を達成するために2030年までの中期目標「2030ビジョン」を掲げています。それは「県民のより多くの世帯に対し、食と福祉と助け合いの『くらしのトータルケア事業』に取り組み、切れ目なく提供し『住み慣れた地域で、安心して元気に暮らし続けられる』地域社会創りをめざし、組合員と役職員、地域とも協力・協働し挑戦します」という内容です。富山県でも少子高齢化が進み、私たち生協も年配の組合員が多くなっていく中で事業を行なっていますが、これからは次代を担う若い世代に親しんでもらわなくてはなりません。行政と連携した子ども用オムツの無料配達、子育て支援の活動を実施しているのはそのためです。また、2030年ビジョンに基づき実施する「2030環境・サスティナビリティ政策」を通じて、SDGs17の目標の実現にも貢献していくこととしております。今後は、サスティナビリティに関する学習会や講演会、動画配信にもより力を入れます。発信力をさらに強め、我々の活動内容を知ってもらい、組合員数を増やすことで、地域社会とともに成長していける組織を目指していきます。

とやま生活協同組合
担当者
組織ネットワーク部 SDGs推進グループ
松本 亮祐
事業所住所
富山県富山市金屋555
地域
富山市,高岡市,魚津市,氷見市,滑川市,黒部市,砺波市,小矢部市,南砺市,射水市,舟橋村,上市町,立山町,入善町,朝日町
業種
複合サービス業
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