次世代へつなぐ、地域の未来。
事業の成長が、持続可能な社会を創造する。

2025.03.17
NiX JAPAN株式会社

SDGs推進のきっかけを教えてください。

~社会インフラをデザインする企業としてSDGsを推進する〜

 

「NiX JAPAN株式会社」は、社会インフラ整備の計画設計をはじめとしたインフラ技術サービスを事業の柱とする企業です。SDGs推進は、従業員や家族、地域の方々とともに、持続可能な未来を描くための取り組みだと考えています。

 2019年に本社を富山駅北に移転し、富山市のスマートシティビジョンとコンパクトシティ政策に対応したと同時に、社長の市森が進める「エコ通勤とワークモチベーション」に基づく取り組みを実践しました。

 地域社会の課題解決と企業経営の連携が、持続可能な発展に繋がるという考えのもと、エコ(徒歩・自転車・公共交通機関)通勤の推奨や、街中居住のための補助を実施しており、従業員向けに行ったアンケートでは、健康状態の改善やストレス軽減といった効果も報告されています。社員のエコ通勤を推進し、環境配慮と意識向上を図るとともに、地域全体のエコ意識を高めることにも繋がると考えています。

 富山市中心部は、富山県内でも特にIT企業、大手企業、官公庁が集まっており、周囲の企業との交流や連携を深め、イノベーションを促進したいと考えています。少子高齢化による生産年齢人口の減少などを背景に、多くの企業が採用に苦戦を強いられている中、SDGsの推進は、若者にとって魅力ある企業であることを伝える契機になると考えています。

 

社会課題の解決を、新事業の創出につなげておられますね。

~デジタル技術やデータ活用で、省人化・効率化を推進する~

 

 富山県SDGs宣言の目標1は「富山型インフラ管理エコシステムを強化することによる持続可能な地域の社会基盤の確立に貢献する」です。

 当社は人口減少や働き手不足などの社会課題解決に向け、持続可能な地域づくりを目指し、インフラ管理エコシステムの開発を進めています。その一環として提供しているのが、道路維持管理クラウドサービス「みちクラ」です。このサービスは、デジタル技術とデータ活用によって道路維持管理におけるDXを実現するもので、パトロール、事故、苦情受付など多岐にわたる道路管理業務の改善及び効率化、そして住民の満足度の向上に貢献しています。スマートフォンアプリによる記録、AIやセンサーを活用した点検の効率化・省力化が実現し、データはクラウド上で一元管理されます。能登半島地震の際には、このシステムを用いて被災状況を可視化し、迅速な初動対応を行いました。現在、富山県、富山市、高岡市で同様のクラウドシステムが活用されており、情報連携が実現しています。

 またAIによる河川水位予測システム「水まもり(みまもり)」は、富山県内の内水氾濫が起きやすい地域を中心に導入されており、高齢化や人手不足で自主防災組織の維持が困難な地域を災害から守っています。地域住民の経験やノウハウをデータ化し、急激な雨量や水位の上昇をリアルタイムで予測するこのシステムは、住民への一斉アラート配信を可能にします。事前予測により、土嚢や止水板の設置を促し、道路冠水被害を軽減できた実績もあります。過去のデータを活用するだけでなく、リアルタイムでデータを収集し水防活動支援ツールとして機能しています。

 

道路維持管理クラウドサービス みちクラ

再生可能エネルギー事業を国内外で展開しておられますね。

~国内外のカーボンニュートラルの実現に貢献する~

 

 国内外で再生可能エネルギー事業を展開しており、目標2は「国内外の自社水力発電所、太陽光発電所の開発及び創出されるカーボンクレジットの活用による富山のカーボンニュートラルに貢献する」としています。

 当社は2012年頃から国内で再生可能エネルギー事業を開始し、富山市八尾町に太陽光発電所1カ所、県内と石川県に合計3カ所の小水力発電所を展開しています。自社発電事業のきっかけは、官公庁からの小水力発電所の設計委託を受けたことでした。当社には設計や測量の技術者がいることから、知識や経験を活かすことで、発電所を自社で一元管理できると考えました。現在、国内の自社発電事業の総年間発電量は2,400kWhとなっており、年間約3,400t-CO2の温室効果ガス削減に貢献しています。将来的には、自社で発電した再生可能エネルギー電源をNiXグループで活用することを検討しており、2030年までにグループ全体で再エネ利用100%を目指しています。 


 国内での発電事業の経験を海外事業に活かすため、2016年からからインドネシアスマトラ島のケタウン水力発電所(発電出力 13,000kW)、同じくスマトラ島のトンガル水力発電所(発電出力 6,200kW)の開発を開始しました。トンガル水力発電事業は2023年11月より稼働し、インドネシアスマトラ州の電力不足解消、地域住民の生活水準の向上、インフラ基盤の整備に貢献しています。トンガル水力発電所で想定される温室効果ガスの削減量は年間約18,000t-CO2を見込んでおり、削減量をクレジットとして発行することで、日本及びインドネシア両国の温室効果ガス削減目標の達成にも寄与します。

 水力発電事業の他、インドネシアにおいて日系企業と合弁で太陽光発電事業や電動二輪車販売レンタル・バッテリーステーション事業も推進しており、これらの再生可能エネルギー事業の開発を通じて、国内外でカーボンニュートラルに貢献していきます。

 

トンガル水力発電所

誰もが働きやすい職場環境を整備しておられますね。

〜ワークライフバランスが実現できる社内制度が充実〜

 

 目標3は「技術サービス業における外国人高度技能社員・女性技術社員の活躍推進によるダイバーシティ推進及びDX・リモートワークを活用したニューノーマル時代の働き方の定着を通じ、地域産業の高質化と生産年齢人口維持に貢献する」です。当社には、インドネシア、中国、ミャンマー、スリランカなど様々な国籍の外国人社員が在籍しており、文化や宗教を問わず、誰もが働きやすい環境を整備していきたいと考えています。具体的には、イスラム教の従業員はお祈りの時間が必要となるため、社内に礼拝所を設けました。また、女性従業員の活躍を後押ししており、例えばDX推進チームでは商品開発や顧客満足度維持などの分野で力を発揮してもらっています。柔軟な働き方を支援する社内制度も充実しており、リモートワーク、テレワーク、フレックス制度などを活用し、ワークライフバランスの向上が図れる仕組みを整えています。

 当社は総合建設コンサルタントを主要事業としていますが、コンサルタントの事業ドメインにとどまらず、NiXグループの成長ドメインの一つであるエネルギー・海外事業において日本で培った技術や知見を活用し、海外事業で成長した収益を日本国内の社会インフラ基盤の整備に必要な技術開発に活用するという好循環を生み出しています。このように成長できる事業構造を確立し、地域社会に還元していくことで、企業としても成長をし続けたいと考えています。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、今後もエネルギー事業やDXサービス事業の推進がさらに重要となります。社会課題の解決に貢献しながら、社会インフラ基盤を創造する企業として、持続可能な社会の実現に向けて貢献し、社会に必要とされる企業になるよう取り組んでいきます。

NiX JAPAN株式会社
担当者
管理本部 経営企画管理グループ
管理本部 経営企画管理グループ
事業所住所
富山県富山市奥田新町1番23号
地域
富山市
業種
電気・ガス・熱供給・水道業, 情報通信業, 学術研究・専門・技術サービス業, 宿泊業・飲食サービス業, 複合サービス業
ホームページ
主な取組内容